面会交流調停の難しさ

 私は、現在、札幌家庭裁判所の家事調停委員でもあるし、家事調停官(非常勤裁判官)の経験もある。家事調停事件はどの事件も難しいけれど、特に難しいのが面会交流調停事件(離婚済み又は、離婚調停中の(元)ご夫婦間の、子供に会わせろ、会わせないの紛争)である。また、弁護士として面会交流調停当事者をご依頼人として手続代理人もつとめる身である。

 現在も、手続代理人として難しい面会交流調停事件を2件抱えている。

 家事調停委員、調停官として、裁判所側のスタンスをとると、「大人の事情でお子さんの面会交流の機会を奪うなよ。」「未成年の父母は、もう少し大人になって、お子さんの福祉に何が必要か考えてよ。」「何とか大人の事情とお子さんの福祉を切り離して考えてもらえないかな。」とも思うのだ。

 他方、当事者代理人の立場からすると、依頼者のお気持ち、相手方に対する不信感はよくわかる。それでも、そこを何とか譲歩してもらって、お子さんとの面会交流を実現させたいものだと依頼者の説得に腐心する今日この頃である。