注目の北海道5区補欠選挙

 私は、軍事オタクなので、自衛隊は基本的に好きである。子どもの頃プラモデルに夢中になった。F86やF104(いずれも昭和時代の航空自衛隊の戦闘機)がカッコイイと思った。最近では小説家有川浩の自衛隊ラブコメシリーズに夢中である。「クジラの彼」と「ラブコメ今昔」の2冊あるのだが、どちらもベタなラブコメとして秀逸な上に、自衛隊員の祖国を守るといった矜持を感じ取ることができる。

 自衛隊は、国を守るためになくてはならない存在だと思っている。なので、普通に読むと、どう考えても自衛隊が違憲になるとしか思えない「憲法第9条」は、是非とも改正すべきだと考えている。

 他方で、自民党の憲法改正案には、反対である。大学で憲法を学んだ人なら、自民党の改正案がとんでもないものだと分かるはずだ。憲法が一番大事にしようとしている価値感は、「自分のことは、自分で考えて自分で決められる。」ということなのだと思う。「結婚するのかしないのか、子どもを産むのか産まないのか、極論すると覚せい剤を使うのかやめるのかすら、自分のことは、誰にも干渉されずに、自分で考えて自分で決められるのが一番大事なことですよ。」というのが、今の憲法が一番大事にしていることだと思う。自民党の憲法改正案にはいろいろ突っ込みどころがあるけれども、実際に自民党の憲法改正案どおりに憲法が改正されてしまったら、「自分のことは、自分で考えて自分で決められる」権利がないがしろにされていくと思う。

 また、安保法制についても反対せざるを得ない。自衛隊は必要だし、自衛権も認められると思っている私は、安全保障のためにアメリカと軍事同盟を結ぶ必要性を否定しない。しかし、今回の安保法制は順番が逆だと思うのだ。まず、憲法を改正して、自衛権や自衛隊の存在を認め、そのあとで安保法制の内容を議論すべきなのだと思う。その意味では、自衛隊ができた頃に、自衛隊絶対反対を叫んだ共産党や旧社会党にも、責任がないとは思わない。

 で、今回の補欠選挙の話である。今回の選挙は安保法制の是非がメインの争点になるだろう。皮肉なことに北海道5区は陸上自衛隊の基地がある恵庭市と航空自衛隊の基地がある千歳市をその選挙区に含んでいる。自衛隊員の方々のほとんどは、「命令があれば従うし、国を守るために全力を尽くす。」と既に覚悟を決めていらっしゃると思う。そのために、日々厳しい訓練に励んでいるのだから…。

 しかし隊員のご家族はさぞご心配なされていると思う。

 4月24日が衆議院議員北海道5区補欠選挙の投票日のようだ。私は北区民なので投票権はない。和田候補と池田候補の一騎打ちの様相である。私は、池田候補が好きなわけでも、池田候補を支持する政党が好きなわけでもないけれど、私が5区選挙区住民なら、池田候補支持である。

 そうしないと、「自分のことは、自分で考えて自分で決められる権利」が奪われることになりかねない。